サンプル映像のご試聴ポイントをちょっと詳細に

【メロディライン中心のカメラワーク】

「メロディパート」「SOLO奏者」を中心に、しかし、それらだけに偏ってしまわないように「リピート時にはオブリガートを」や、「再現部には1回目と違ったパートを」という風に適宜工夫し、バランスよく、かつ見ていて飽きない構成を心がけています。
 
 
 

【フレーズを意識したカメラスイッチング】

フレーズの途中でスイッチングするということは、メロディラインを無視して画面を切り替える、ということです。弊社では絶対に避けているスイッチングです。また、収録現場でのスイッチング(いわゆる現場スイッチング)では実現不可能な「最適な前倒しスイッチング」をします。例えば、コンサートマスターにSoloがあったとしましょう。コンマスにスイッチングするタイミングは、「音が出たその瞬間」とお思いの方が多いでしょうが、そのタイミングだと人間には「音が出てから、絵が変わった」と認識する傾向があるようです(視覚と聴覚の認識までの時間的差異)。私たちの考えるスイッチングは「スイッチングが行われ、視聴者がコンマスを認識してから、実際に音が出る」を加味した時間分、スイッチングを前倒しする、というのものです。曲のテンポや曲の雰囲気でも私たちの考える「最適な前倒し時間」は変わって来ます。さらに、そこに本番特有のテンポ感の違いもあるかもしれません。あくまで、本番でその演奏がもつ「特有の時間」を私たちの「感覚」で判断することになるので皆さんの感覚と一致するとは限りませんが、私たちが考える「最善」を尽くすためには現場スイッチングはすべきではないと考えています。
 
 
 

【ハイレベルなマルチカム撮影】

各カメラごとに色のバラツキがあっては台無しです。スイッチングするたびに色味が変わってしまったり、解像感が変わってしまうのは論外です。信頼性の高い業務カメラのみを使用し、毎回の舞台照明に合わせて調整し撮影に臨んでいます。白トビや黒ツブれは論外です。
 
 
 

【「写真」でも通用するフレーミング】

メインの被写体が画面端っこに、しかもフォーカスが来ていないようでは「写真」ではまったく成立しません。「写真」の連続画が「動画」と考え、作品性のあるフレーミングについてスタッフ内で日々討論しています。
 
 
 

【余計な演出はしません!】

カメラマンや編集マンの「思い入れ」「演出」が「余計な思い入れ」「余計な演出」にならないよう、リアルな記録になるように心がけています。皆さんの演奏会に対する様々な「お気持ち」「努力」の結果である舞台上の時間をリアルに記録せず、私たちの想いが最前面に出ては、ただの「変な思い入れ、思い込みだらけの映像」になってしまいかねないからです。例えば、オーバーラップ(画面を徐々に切り替える)やパン(カメラを左右に振る)、ズームインやズームアウトなどの効果は"本当に必要と考える部分だけ"にとどめています。